予言者

医師から余命1カ月と告げられたガン患者がちょうどその1か月後に亡くなった。

大体どんなストーリーでも、予言者が現れた時にはもう遅い。

彼は余命を告げられた後、末期病棟に移り病室で山のように積まれた漫画を読んで過ごしていた。

死ぬことが分かったからと言って、体は動かない、行ってみたかったところに行ったり、やり残したことをやれる余力はない。食べたかったものを食べたくても、臓器がすべて壊れている。会いたかった人に会いに行く体力はもうない。

病室でひとり、眼を閉じたら二度と起きないかもしれないその死の際で、残された僅かな人生で、やれることなど殆どないのかもしれない。

あの世への待合室で、どう暇をつぶすか。

のんびり考えようにも、予言者が現れて時にはもう遅いのだ。